2026年3月放送(NHK BSP4K:3月6日/総合:3月31日)、NHK特集ドラマ『魯山人のかまど』のロケ地を、北大路魯山人の足跡で読み解きます。主演・藤竜也が、和食を世界に知らしめた食と美の巨人・北大路魯山人を演じる全4回。古川琴音と藤竜也のW主演で、魯山人の人生・料理・陶芸が交錯する人間ドラマです。料理監修は野々﨑洋光。
本作のロケ地は茨城県笠間市と千葉県野田市に集約。魯山人本人が暮らした旧居を移築した茅葺き屋根の民家「春風萬里荘」、そして大正期の醤油醸造家邸宅「野田市市民会館」など、ドラマと史実が建築物のレベルで重なる稀有な作品です。本記事は公式情報・ロケ地施設発表・撮影スタジオ情報を突き合わせて確定した場所のみ掲載します。推測ベースの「撮影候補」は記載しません。
しおりNHK『魯山人のかまど』のすごいところって、藤竜也さんが演じる魯山人の住居が、本物の魯山人の旧居(春風萬里荘)で撮影されてるところなんですよね。本物の場所+本物の作品+本物のかまど——考証の極北だなって思います。
『魯山人のかまど』ロケ地一覧(撮影追跡)
| 場所 | 撮影期間 | 目撃情報・特定根拠 | 該当シーン |
|---|---|---|---|
| 春風萬里荘(茨城県笠間市下市毛1371-1/笠間日動美術館分館) | 2025秋〜2026冬 | 笠間市・笠間日動美術館の公式発表(X) | 全話:魯山人の北鎌倉時代の住居 |
| 染谷家住宅(茨城県笠間市) | 2025秋〜2026冬 | 染谷家住宅の公式サイトで発表 | 全話:魯山人がかまどで調理する核心シーン |
| 野田市市民会館/旧茂木佐平治邸(千葉県野田市) | 2025秋〜2026冬 | 野田市の公式SNS発表 | 各話:大広間・宴の場面 |
| 笠間日動美術館 本館(茨城県笠間市笠間978-4) | 2025秋〜2026冬 | 同館所蔵の魯山人作品が劇中で実使用 | 各話:魯山人作品の展示シーン |
魯山人が実際に暮らした春風萬里荘(笠間日動美術館分館)
| 名称 | 春風萬里荘(しゅんぷうまんりそう)/笠間日動美術館分館 |
|---|---|
| 住所 | 茨城県笠間市下市毛1371-1 |
| 登場話 | 全話(北鎌倉での魯山人の暮らし全般) |
| シーン | 魯山人の住居・工房・庭・接客の場面 |
| 最寄駅 | JR水戸線「笠間駅」徒歩約30分(タクシー約7分) |
| 建造 | 江戸中期築・北鎌倉から移築(1965年開館)/約300平方メートルの茅葺き民家 |
| 見学情報 | 笠間日動美術館の分館として一般公開(休館日要確認) |
春風萬里荘で魯山人が「家を建物で囲う」生き方を選んだ理由
本作で魯山人の住居・工房・接客の場面に使われるのが、笠間日動美術館の分館・春風萬里荘。重要なのは、これが「魯山人の家を再現したセット」ではなく、魯山人本人が実際に北鎌倉で暮らしていた家屋そのものを移築したものだということです。
北大路魯山人にとって茅葺き民家は何だったのか
北大路魯山人は、陶芸家・料理人・書家・篆刻家・画家——あらゆる芸術を横断した人物。彼が江戸中期築の茅葺き民家を北鎌倉の住居に選んだ理由は、本作のドラマでも大きなテーマです。
春風萬里荘は約300平方メートル。当時の暮らしの匂いがそのまま残る空間で、囲炉裏のある板の間、京風の枯山水の庭、ふすまの開け閉めで変わる動線——すべてが「美と食と暮らしを一つの空間にまとめる」魯山人の哲学を物理的に体現した家です。藤竜也が演じる魯山人がこの空間で囲炉裏の前に座る画は、登場人物視点で読むと「魯山人の世界観そのもの」が画面に閉じ込められた瞬間と言えます。
笠間日動美術館の公式発表が確定した「本物のロケ地」
春風萬里荘は1965年(昭和40年)、魯山人の旧居を北鎌倉から笠間に移築・開館した施設。茨城県笠間市の公式情報および笠間日動美術館の公式発表により、本作のロケ地としての使用が確定しています(笠間市・笠間日動美術館の公式SNSで明示)。さらに作中で使用される魯山人作の陶器類は、笠間日動美術館の所蔵品が実際に使われています。「再現したセット」ではなく「本物を借りて撮る」ことで、本作は美術考証・建築考証の最高水準を実現しています。
魯山人が「火」と向き合うかまどがある染谷家住宅
| 名称 | 染谷家住宅 |
|---|---|
| 所在地 | 茨城県笠間市 |
| 登場話 | 全話(魯山人がかまどで調理する核心シーン) |
| シーン | 魯山人がかまどで火を入れて料理する場面/作中の象徴的調理 |
染谷家住宅でタイトル「かまど」の核心シーンが撮られた経緯
本作のタイトル『魯山人のかまど』が指し示す中心装置——それは染谷家住宅のかまどです。魯山人が薪をくべ、火加減を見ながら料理する一連の所作が、ここで撮影されました。料理監修・野々﨑洋光による本物の調理が、本物のかまどで行われる——本作の食シーンの圧倒的な説得力は、この「本物の場所」に支えられています。
北大路魯山人にとって「かまど」は素材と対話する媒介だった
魯山人にとって、火は単なる調理手段ではなく、素材と対話する媒介でした。本作で繰り返し登場する「かまど前の魯山人」のショットは、彼の哲学そのものの可視化。料理を作るためだけのかまどではなく、火と向き合う行為を通じて自己と向き合う——その静かな対峙が、染谷家住宅のかまど周辺の薄暗い空間と相まって、画面に張り詰めた空気を生み出します。
染谷家住宅の公式サイトと藤竜也のサイン展示で確定した撮影地
染谷家住宅の公式サイトにて、NHK特集ドラマ『魯山人のかまど』のロケ撮影が行われた事実、および「魯山人がかまどで調理を行うシーンにおいては、染谷家住宅のかまどが使用された」との公式発表が出ています。撮影スタッフのコメントとして「館内のさまざまな場所が作品の中に登場」「かまど周辺は当時の暮らしが感じられる趣深い空間が再現されておりました」との記述あり。撮影後はかまどのそばに、主演・藤竜也と古川琴音のサインが展示されています。
物語が動いた印象的なロケ地
大広間・宴の場面で使われた野田市市民会館(旧茂木佐平治邸)
千葉県野田市にある野田市市民会館は、もとは醤油醸造家・茂木佐平治氏の邸宅。国登録有形文化財として保存されており、無料で見学可能です。本作では、魯山人が大勢の客をもてなす宴の場面、または魯山人が招かれる格式高い邸宅の場面で使用されています。
| 名称 | 野田市市民会館(旧茂木佐平治邸) |
|---|---|
| 住所 | 千葉県野田市(東武アーバンパークライン「野田市駅」徒歩約8分) |
| 建築 | 大正期の醤油醸造家邸宅/国登録有形文化財 |
| 見学 | 無料/9:00〜17:00/火曜休館 |
登場人物視点で読むと、野田市市民会館は「権力と格式の側」を象徴する場所。魯山人が芸術家として一流の客と渡り合う場面で、この邸宅の重厚な書院造りが画面の格を一気に引き上げます。
魯山人作品の展示シーンに使われた笠間日動美術館 本館
春風萬里荘を分館として擁する笠間日動美術館 本館(茨城県笠間市笠間978-4)も本作の関連施設。同館は北大路魯山人の作品を多数所蔵しており、本作の作中で映る陶器・絵画は同館の所蔵品が実際に使われています。「本物の魯山人作品が、本物の魯山人旧居で撮影された」という、考証の極北。
主人公が辿った道に残る感情
北大路魯山人(藤竜也)の動線が描く「美と食」の同心円
本作で魯山人の動線は、ほぼ笠間市内(春風萬里荘・染谷家住宅・笠間日動美術館)に集約されます。これは魯山人という人物が「自分の住居・工房を中心に世界を引き寄せた人」だったという史実と直結します。彼の元には客が訪ねて来る——彼が訪ねて行くのではなく。だから動線が放射状に外向きではなく、内向きの同心円を描く構造になっています。
古川琴音演じる女性が外から魯山人の世界に入ってくる視点
古川琴音演じる女性キャラクターの動線は、視聴者の視点を代弁する役割。彼女が魯山人の家に入ってくることで、視聴者は「魯山人の世界観の中に招かれる」体験をします。野田市市民会館のような外部の格式空間と、春風萬里荘の私的空間を対比させることで、彼女の心の旅も描かれています。
魯山人の足跡をたどる聖地巡礼ルート
『魯山人のかまど』のロケ地は茨城県笠間市と千葉県野田市に集約されているため、1〜2日で全箇所を巡ることが可能です。
1日コース:笠間集中ルート(茨城県)
- 10:00 JR水戸線「笠間駅」着
- 10:30 タクシーで春風萬里荘へ(約7分)
- 11:00 春風萬里荘 見学(魯山人の旧居・所要約60分)
- 12:30 ランチ(笠間市内で笠間焼の器を使う食事処)
- 14:00 笠間日動美術館 本館 見学(魯山人作品)
- 16:00 染谷家住宅(外観/公開日要確認)
- 17:30 終了
2日コース:茨城+千葉ルート
- Day 1:上記の笠間集中ルート
- Day 2:野田市市民会館見学(東武アーバンパークライン「野田市駅」徒歩8分・無料・9:00〜17:00)
笠間と野田の間は、車で約2時間(常磐自動車道経由)。1泊2日にして、夜は笠間市内の宿で笠間焼の器を使った和食を味わうのもおすすめです。
監督・脚本の選地から読み解く本作の作家性
本作の最大の特徴は、「再現セット」を一切使わず、本物の場所と本物の道具で撮るという選択にあります。魯山人本人が暮らした春風萬里荘、本人の作品を所蔵する笠間日動美術館、本物のかまどがある染谷家住宅、大正期の醤油醸造家邸宅・野田市市民会館——どれも作品世界を支えるディテールではなく、作品世界そのものを構成する建築です。
料理監修・野々﨑洋光氏を起用し、藤竜也が40年ぶりにトレードマークの髭を剃って役に挑む——この本気度がロケ地の選定にも直結しています。「本物の魯山人を、本物の場所で撮る」ことが、本作の最大のコンセプトです。
ロケーション特定の経緯
- 2026-春:茨城県笠間市・千葉県野田市での撮影実施
- 2026-03-06:BSP4Kで第1回放送スタート
- 2026-03-31:NHK総合で全国放送スタート
- 2026-05-06:本記事のロケ地確定情報を更新
しおり春風萬里荘は今も笠間日動美術館の分館として一般公開されています。藤竜也さんが座っていたであろう囲炉裏の前に、自分も座れる——これだけでも巡礼する価値がある場所です。

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